看護師は「やさしい」イメージが強かった20代。
准看護学校を卒業することには、「看護師=怖い」の方式が出来上がりました(^O^)
「看護師怖い」イメージが固まったのは、とある急性期病棟での実習で泣いた日からです。
後にも先にも泣いたのはその日だけ。
ちょっと振り返ってみます。
看護実習で泣いた話|食事介助中の突然の嘔吐
その日は急性期病棟での実習期間。
高齢の患者さんを受け持たせてもらい、病状の経過や観察、慣れない日常のお世話に汗だく(いろんな意味で)の日々でした。
そんなある日のお昼ごはん中。
私は、自分ひとりでは食べられない患者さんの食事介助に入っていました。
指導者や教員はずっとついてくれているというわけではなく、グループの他の学生が食事介助に入っているところに行ったり来たり。
そんな指導者や教員がいない1対1での食事介助中。
高齢の患者さんがいきなり食べたもの全てを吐きました。少量ではないです、食べたもの全てです。
近くに指導者さんも教員も看護師も誰もいない。私は経験も資格も持っていない学生。
「ッ!!!!!!!(゚Д゚;)」
頭の中が真っ白。パニック状態です。
この患者さんはどうにかなってしまうのかもしれない。やばい…やばい….やばい…!!
患者さんをしなせてしまうかもしれない。家族はどう思う?私の責任?
患者さんか食べたものを吐いてから一瞬の内にいろんな感情がブワッと浮かんできて、咄嗟に取った行動は。
ナースコール
「〇〇さんが嘔吐しました」
すぐに駆けつけてくれた看護師。まずはバイタルをとってとりあえず異常なし。
看護師に後片付けを任せて立ち去る私
患者さんの様子も変わりなく一安心。でも服やシーツは汚れています。
次にやらなければいけないことは、汚れた服やシーツを交換すること。
指導者も教員もいなくて、勝手な行動はできず判断に困った私はとりあえずその場を離れました。
患者さんの着替えやシーツ交換を看護師にやらせたのです。
何をどうしていいのか分からなかったので、まずは報告をと思い指導者か教員を探しに行ったのですが不在。
あっちにウロウロ、こっちにウロウロ。その間5分ほど。
どんなに探してもいないので、また患者さんのところに戻ろうと思い病室の前まで行くと…。
と、2人の看護師が不機嫌さ全開で私のことを話しているではないですか。
うっわぁ…(´;ω;`)
もうその場から逃げたかったのですが、受け持っている患者さんを放っておくなんてできず、入室。
「すみませんでした」と謝り、「片づけます」と指示を仰ぎ、床に置かれたシーツや病衣を指定の場所へ持って行きました。
そんなんしている内に指導者が帰ってきて、何があったのかを報告。
もちろん、
その場を立ち去ってしまったことや看護師に片づけをやらせてしまったことも報告しました。
張りつめていた線が切れたのか、一気に涙が溢れ出てしまって、泣きながら「すみませんでした」と謝罪。
「すみませんでした」の中には、
- 患者さんを危険にさらしてしまったこと
- 受け持たせてもらっている身でその場を立ち去ってしまったこと
- 看護師に片づけを押し付けてしまったこと
恐怖や反省、後悔や不甲斐なさなど、いろんな感情が押し寄せてきて、30歳を超えた大人が涙を止めることはできませんでした。
指導者は「ちょっと落ち着いてきなさい」と優しく言ってくれて、学生部屋に戻り、他の学生に慰められながらどうにか落ち着く私。
午後もその患者さんのケアの計画があったのですが、指導者は「どうする?できる?」と聞いてくれて、そのやさしさにまた泣きそうになったのですが、「やらせてください」と計画通りに1日を終えました。
患者さんはお話できる人ではなかったのですが、「お昼ごはんの時はすみませんでした」と伝えたら、「うんうん」と頷いてくれました。
看護実習|最初で最後の泣いた日を振り返る
- なぜ患者さんが吐いてしまったのか
- 吐かないようにするためのどうしたらよかったのか
この事について、当日のカンファレンスに挙げ、学生同士で話し合い、指導者や教員からも助言をいただきました。
嘔吐ひとつとっても原因は様々で、その患者さんの疾患や病状、年齢や生活の背景、飲んでる薬なんかも絡んでくるので、本当に看護って難しいです。
バイタルも教科書通りにやると、
- 意識レベル
- 体温
- 呼吸
- 脈拍
- 血圧
ですが、今回のように嘔吐したとき真っ先にとるのは血圧(意識も)だったりします。
患者さんが吐いてすぐに看護師が駆けつけてくれた時、ふいに聞かれたんです。
「こういうとき、バイタルは何からとる?」
私は教科書通りに答えてしまったのですが、その看護師はやさしく教えてくれたのが今も記憶に残っています。
やさしく教えてくれた看護師は、「あの学生どっか行ったよ」とは別の看護師です。
意地悪な看護師にはなりたくないと決意
准看護学校に入学するための情報を集めている頃から、病棟実習の指導者や病棟看護師は「怖い」というイメージがありました。
そのイメージは正解だったり、間違っていたり、当たり前だけど様々でした。
めちゃくちゃ怖い指導者もいたし、反対にめちゃくちゃやさしい指導者もいた。
すごく感じ悪い看護師もいたし、学生の私たちに丁寧にあいさつしてくれる看護師もいた。
患者さんの病室の前で聞いた「あの学生どっか行ったよ」という嫌な思い出は別枠ですけどね。
でも、看護業務で忙しいのに、学生がやるべき片づけを看護師に任せて逃亡したら、「あの学生どこ行ったぁぁぁあ!(# ゚Д゚)」ってなりますよね。すみませんでした…。
看護実習で泣いたのは後にも先にもこの日だけですが、いろんな看護師を見て、私はできるだけ丁寧にやさしい看護師になりたいと思いました。
それは今でも感じることで、どんなに忙しくても患者さんと接するときは一呼吸置いて、話すように意識しています。
捉え方は人によって違うので、できているかできていないかは分かりませんが、意識し続けて行動することしかできませんから。
そのおかげか、退院した今でもたまに患者さんからお手紙をもらうこともあって、嬉しい限りです。
看護実習で泣いた話、看護師怖い|まとめ
看護師怖い怖い行ってますけど、やさしい看護師もたくさんいます。
怖そうに見える看護師も自分の中で正義を持っていたり、事情があってのことだったりするので怖いという一面だけではないと思います。
でも、看護学生からみた看護師はみんな怖いよね。
だから、私は実習に来ている学生さんにはできる限り丁寧に接しようと思います。
とはいってもほとんど絡みないからちゃんと挨拶するくらいしかできないけど。