一般的に転職回数が多いと、
- 忍耐力がない
- その人に問題がある
と思われてしまいがちですが、看護師の世界はちょっと独特だと思っています。
- 今の職場は疲れた
- でも転職に踏み切れない
とモヤモヤしている人はきっと前向きな気持ちになるはずなので、ぜひ参考にしてくださいね。
看護師に転職が多い理由
看護師に転職が多い理由は、
- 人手不足
- 残業が多い
- 夜勤がきつい
- 給料が合っていない
など、激務や条件の悪さに耐えられなくなりネガティブな理由の退職も多いです。
が、その背景には女性特有のライフステージの変化の影響も大きいと思っています。
看護師の9割は女性なのですが、女性は結婚や出産で生活がガラっと一変し、働き方も大きく変わります。
ではライフステージの変化がどういう風に影響するのか、詳しく紹介しますね。
ライフステージの変化①新卒・看護師1年目
学校を卒業したばかりの新卒では、たくさんのことが学べる「科」に配属されることが多いです。
- 入院・退院
- 処置・技術
- 急変時の対応
など、夜勤も含めいろんな経験ができることが魅力(過酷ともいう)ですよね。
看護師1年目はとりあえず急性期で!!っという謎の風習?で、急性期で働きようけど、結婚してもここで働けるとは思えないし、ましてや育児しながら働ける気はしない、、
— ま (@maaaai_29) June 4, 2019
2~3年そこで働いてみると、知識や技術の自信もついてくるので、
- 自分に合う合わない
- 他の働き方への興味
が出てくるので、初めて転職を考えるタイミングになります。
- 高齢者を看たい
- 小児科で働きたい
- 循環器をしっかり学びたい
など、今いる職場では学べないことや身につけたいと思い転職する人が多いです。
独身で自分に使える時間がたくさんあるときの特徴は、向上心ややりがいのための転職です。
ライフステージの変化②結婚・出産・育児
比較的忙しい科で働くことが多い看護師新人時代ですが、結婚して出産となると生活が一気に変わります。
結婚だけならそこまで生活は変わりませんが、妊娠するとつわりで今までのように動けなくなり、体や心への負担はNGです。
妊娠しているのに、
- 夜勤が免除されない
- 負担がかかり過ぎる
と辞めてしまう看護師も多いのが現状。
出産後はプライベートメインで働けるような職場に転職する人も多いです。
独身時代は自分のやりがいや向上心目的の転職ですが、ママナースになると、
- 残業がない
- 休日が多い
- 休みやすい
- 急な休み(保育園の呼び出し)にも寛大
など、ムリなく育児と仕事を両立できる条件の職場に転職する傾向です。
ライフステージの変化③育児が一段落
子どもが小学校高学年や中学生になってある程度自立すると、自分の時間がグッと増えます。
今まで、
- 育児との両立
- 短時間で日勤のみ
など、プライベートメインの働き方をしてきましたが、今後は、
- 自分がどうなりたいか
- ずっとやってみたかったこと
など、育児中より時間が増えるので自分のやりたいことメインで転職することができます。
- クリニックや訪問看護
- 体力的にラクに働ける職場
- 給料を上げたいから夜勤がある職場
など。
看護師だよ~😁
三男妊娠して、産休も育休ももらえないって言われて(ブラックw)辞めたの😂💡
来年あたりからパート勤務でまた看護師復帰しようと思ってる🫡— ℳちゃん☺ (@m_3kids_dd) February 13, 2023
もしこれが人気のある事務職の場合、
と、同じ事務で再就職しようとしても、なかなか思うような求人が見つからないし、転職は難航してしまいます。
実は看護師ってすごい!その2つの理由
看護師がすごい!と思う理由は、
- 転職で困らない
- 給料が高め
だよ。
看護師のいいところは、
そのときの状況(独身・妊娠・育児中など)に合わせて色んな働き方ができるところ
です。
かつ、自分のある程度の希望の条件でも給料が大きく下がらないんですよね。
どれだけ看護師がすごいかをデータに照らし合わせながら紹介しますね。
転職であまり困らない
看護師は人手不足がいつも騒がれていますが、どのくらい人が足りてないのかちょっとピンと来ないですよね。
厚生労働省はハローワークの、
- 求人数
- 求職者
の割合を有効求人倍率として毎月発表しているのですが、2023年2月でいうと、一般職業:1.34倍に対し、
保健師・助産師・看護師・准看護師:2.33倍
でした。
ちなみに希望する人が多い一般事務職は0.45倍なので、希望者全員が就けない状況です。
事務職に転職したくても、希望ではない条件だったり、スムーズにいかず収入がない生活が続いてしまうことも。
その点看護師は長い間人手不足なので、転職しようと行動すれば、ほぼどこでも働くことができます。
それどころか、
- パート希望
- 派遣ナース
- 離島応援ナース
など、自分の希望にあった好きな働き方がしやすいのも看護師のすごいところです。
事務職だったらそうはいきませんよね。今ある職場がなくなったら同じような条件で探すのはとても大変だと思います。
給料が比較的高い
看護師の令和3年度の平均の年収は、
- 月額:約34万円
- ボーナス:約85万円
- 年収約:498万円
です。
参考:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」(平均年齢41.2歳・勤続年数9.2年)
年齢別で1ヶ月の給料をグラフにするとこんな感じです。
さらに、同じ年で他の職種、
- 一般事務
- 飲食物給仕従事者
と比べてみました。
一般事務従事者(平均年齢42.9歳・勤続年数11.6年)
- 月額約30万円
- ボーナス約79万円
- 年収約439万円
飲食物給仕従事者(平均年齢39.5歳・勤続年数8.1年)
- 月額約24万円
- ボーナス約25万円
- 年収約316万円
と、一般事務職とは約50万円、飲食物給仕従事者とはなんと約180万円も年収が違います。
転職する上で困ってしまうのは、年収が今より低い求人しかないことですが、看護師は人手不足。
- 夜勤ありの給与をキープ
- 夜勤なしのプライベート重視
など、自分が納得した上で条件を選ぶことができます。
もしこれが事務職だったら、同じようにはいきません。
他にも、定年後も体力に合った職場で働くことでき、「お金を稼いでいく」という意味でも、看護師ほど働きやすい資格はなかなかないですよね。
看護師の転職が多い理由、まとめ
看護師は長い間、現場の人が足りずに今もそれは続いています。
確かに大変なことも多いですが、それは他の業界も大なり小なり同じだと思っています。
どうせ働くなら、
- 自分の希望の条件で
- 給料がそれなりにもらえる
ってすごく大事だと思うんですよね。
「働きたいけど就職先がない」「何社受けても落とされる」とはほど遠い特殊な仕事というわけです。
だからこそ、自分に合った、その時々で納得できる働き方を妥協しちゃもったいないんですよね。